豊川海軍工廠 その2

名古屋から高速で1時間余りの場所にこれほどの戦争遺跡が残っているとはなかなか思えない。


太陽地球環境研究所ということで、ぽつぽつと建つ研究用施設以外はあまり構われていないという環境(+あまりお金がない)がこれほどの遺構を残しているようだ。

大学施設として使用されていた時の名残。
「号」の旧字体って何やらかっこいい。

入ってすぐ左の部屋。
5年前に訪れた際は粗大ゴミ置き場状態だったが現在はもぬけの空。


正式な説明開始後は危険なので中に入らないよう指示があった。壁が崩れてくる可能性は低いが、いかんせん屋根が弱いのでやはり危険。

廃病院を彷彿させる廊下。

こちらは5年前に撮影したもの。
当時は扉や窓ははまっていた。ただし廊下の奥に粗大ゴミ山積みだったが…。

突き当たり左側の部屋。
ご覧の通り、完全に屋根が落ちていてとても踏み込める状態ではない。

5年前に撮影した廊下の突き当たり。
左側の戸が上記写真の扉。荒れ果ててはいるが、70年近くを経た建物とも思われない

廊下から突き出した元便所と思われる区画。
かなり崩壊が激しい。

廊下の奥から一旦外に出て外観を撮影。

崩壊した便所部分の突き出しを撮影。
接続部分などを見るとどうも後付けっぽい感じがする。

崩壊した部屋を外側から撮影。
外壁が無くなっているが、頑丈な壁がここだけ崩壊するとも考えにくく、壁の切れている部分を見ると最初から資材搬入口だったのかもしれない。


大学正門を入ってすぐ右側、鋭いエッジの土塁が現れる。内部へは写真中央に見えるトンネルからのみ行き来できる。

雑木林に残る「タコツボ」と呼ばれる防空壕。天井部分はなく、人が一人入れるだけの浅い穴があるだけ。
穴の中でしゃがんでいれば爆風は避けられるのだが、爆弾の直撃があった場合は身の守りようがない。


空襲退避から、すぐ作業に戻れるよう、このような人命軽視な防空壕が掘られたらしい。

「コ」の字型の長細い防空壕。こちらも天井部分はなく、板を上に渡しただけで用いられたらしい。


雑木林の中にこうした防空壕が20基ほど残っているらしい。

こちらは海軍マーク入りの消火栓。
倒れたままになっているのが、なにやらここらしくて微笑ましかった。

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