18きっぷツアー2005 北九州編 その1

なかなか旅に出られない時は他の人が作った旅行記のHPをよく閲覧する。その中で世代的に多いのはやはり時間をたくさん持っている大学生。彼らは18きっぷやバイクなどで、あちこちかけまわっている。
時間に制約がある三十路過ぎの我々にはなかなか思い切ったツアーができない。彼らに対抗するためには彼らにはないものが必要なのだ。それは何かと考えあぐねていたが、今回同行する筆皇からふと発せられたキーワード、これが今回のコンセプトとなった。


大人の魅力 〜エレガント〜
そう、彼らに対抗するにはこれしかないのだから。

「雨男」
英語でこの漢字二文字を表そうとすると、ずいぶん長い文となる。


「雨男」
日本の土壌にしっかり根をおろした言葉なのだろう。そして実際にあちこちにいるのだろう。


「雨男」
自分のまわりにも一人思い当たる人物がいる、それもとびっきり強烈なのが。


「雨男」
今回同行する筆皇、彼はよくそう呼ばれる。

就業時間になった木曜日の夕方、急いで駅まで行き、米原行に乗る。名古屋駅から筆皇合流。
終点の米原で電車を降り、京都行の快速電車に乗り換える。本来なら5分程度の待ちのはずであったが、強風が原因で列車が発車しない。
もしかするとムーンライト九州に間に合わないかもと危惧したが、なんとか間に合った。しかしちゃんとした夕食を購入することはできない。そもそもこれがケチのつきはじめだった。


去年と同じく、客車を引っ張るのはEF65 1000番台。

客車の方は本来「シュプール号」に用いられるもの。
最後尾の展望室、更衣室を持つ特別仕様。そして何よりありがたいのが、背もたれが固定できない「バッタンコシート」でないこと。これで今日の安眠は約束されたようなものだ。

展望室。
全席指定だから席にあぶれたわけでもないのに「鉄ちゃん」が既に落ち着いている。数少ないシートを占領しているバックの上にはフルサイズ盤の時刻表。
ちなみに自分は持っていった時刻表がミニサイズなので、鉄ちゃんではない。

走りだした列車で落ち着く筆皇。
今回のコンセプト通り、エレガントな雰囲気をかもしだしている。知らない人が見たら貴族かと思ってしまいそうだ。

流れ去る駅の灯り。

 
戦うサラリーマンは寝る時もエレガントにきめたい。

展望室でエレガントなひと時を過ごすことにする。


ちなみに左側のおじさんは多分ワラジカツ弁当を二つ食べている。

小雨が止まない東海道をひたすら西へ。
雨で煙った景色を眺めるカップルと、景色を雨で煙らせた筆皇。

鉄ちゃんに撮ってもらう。
鉄ちゃん、カメラを返してくれる際に左のお兄さんに体当たり。それでも構わずこちらにやってくる。お兄さんの眉間のシワに気付かない鉄ちゃんに、こちらがヒヤヒヤする。

この写真を撮ってもらったお姉さんは、この約1時間後、後から乗ってきたお兄さんとケンカを始める。


やっと静かになったと思った瞬間、お兄さんはなにやら再エキサイト。気が弱い自分達はヒヤヒヤして眠れない。


しかし生物学上、男は女に勝てないのだ。
捨てセリフを残してお兄さんは去っていった。
全席指定…、そしてこの日は満席…。お兄さんに残された座席はトイレが展望室しかない…。

後ろのおじさんが車掌さんに何やら文句を言っている。
「ヨーロッパの列車はこんなに揺れないぞ!」
エレガントでないその台詞、困る車掌。
後で車掌さんと話す機会があったので聞いてみた。
「大変ですね」
「えぇ、でも文句言われるだろうなって思ってたんです」
どうやら車掌さん公認の大揺れ運転手らしい。


最初は許せていた揺れも長いこと乗っていると、度が過ぎていることを知る。
客車がスピードを少し落とす度に、ものすごい音と共に体が前につんのめる。
眠れない…。


そして尻が低温火傷になりそうなほどの暖房。車掌さんに助けを求めるも、
「えぇ、でも車両が古くてうまく調整できないんです」
眠れない…。

5時半頃、本州の西端である下関駅到着。
ここで朝飯となる駅弁を購入する。

その名も「晋作弁当」。


もちろん、中のオカズと何ら関係のないネーミングである。

6時過ぎ、目的地小倉到着。

さっそくモノレールに乗り、この日最初の目的地へ。

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