道のない駅 その1
(静岡県磐田郡水窪町  2003/9/4)
ある日レオの弟に良く似た名前の地図ソフトを見ていると、駅なのに道路が接していない駅がある。JR飯田線の小和田駅だ。他にも探してみたがとりあえず中部地方にそれと同じような駅はない。わびさび好きの自分としてはこれは行ってみるしかないと思い立ち、今回の一人旅となった。
出発に際し、事前調査をしようと思い、ネットで「小和田」で検索してみると結構ひっかかる。どうやら鉄道マニアにはメジャーな駅らしい。それらのHPも見てみたかったが、見てしまえば自分が行く為の興味は半減してしまうということで、出発まで一切見なかった。
そこへ行けない人に、少しでも行った雰囲気を伝えるのがこの「観光」のコンセプトではあるのだが、情報が氾濫しすぎているのも場合によっては考えものだなと、妙な考えを持ちつつの旅となった。

JR飯田線中部天竜駅前で車中泊、田舎なので駅前の駐車場も無料で他に車も無い、楽々な車中泊だった。

小和田駅往復が終わったら、見学しようと楽しみにしていた「佐久間レールパーク」だったが土日のみ開館とのこと、この日は有休を取った金曜日、当然お休みとなる。
下調べが甘かった。

中部天竜に併設されている「佐久間レールパーク」。夏休み等を除き、基本的には土日のみの開館となる。
もともと入場料も安い(140円)が、乗車券を持っていると無料となる。

中部天竜7時8分発の飯田行き、1両編成。高校時代に一時期超ローカル線を使って通学していたのでこの1両編成というのは珍しくないが、当時はワンマン運転で整理券を用いる方式だったのに比べ、今回は運転手と車掌が乗り込んでいるリッチな方式だった。

これは初体験、半自動扉。駅に到着すると扉のロックが外れるので、手であけて乗車する。

中部天竜を出た時には乗客は自分を含めて3名。これぞローカル。


飯田線はすこぶるトンネルが多いので景色に見とれる暇もなく早速トンネルイン。
峰トンネルと言って、佐久間ダム建設で水没地帯をよけるためのトンネル。妙に長い。

中部天竜駅では駅員が出勤していなかったために、車掌さんから乗車券を購入する。これもずいぶん久しぶり。

中部天竜から小和田までの乗車券。
車掌さんに「小和田まで」と言うと、ちょっと不思議な顔をされた。

テーブルにお茶を置き、ちょっとした旅気分。10年以上前の18切符旅行を思い出す。

ローカルだと油断をしていたら、途中駅からエプロンを着たおばさん軍団が乗車してきた。「豆腐は10日から」、「油揚げは8日から」と、謎の会話が飛び交う。
これが暗号だとしたら超一流だろう。

小和田駅到着、降りるのは自分一人。
とりあえずホームから周りを見渡すが家らしきものは見当たらない。
とりあえずほっとする。

正直な話、この隣の「なかいさむらい」駅の駅名にも心奪われたのだが、本数が少ない飯田線であっちこっち行けないのでこれで我慢。

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