遠山郷土館和田城&龍渕寺 その1
(飯田市 2011/4)

2003年か2004年頃、地蔵峠〜青崩峠をドライブした際に訪問した遠山郷。「千と千尋の神隠し」にも影響を与えたというその独特の雰囲気は長い月日を経ても忘れ難いものであった。前回は残念ながら郷土館係員の鬼のようなおせっかいで街並みをゆっくり見学することができなかったが、2011年夏、三河〜南信ドライブに出かけたので、久しぶりに寄ってみることにした。
前回訪問時と比較すると秘境感は若干薄れた感もあるが、やはりまだまだ独特の雰囲気を持つ町であった…と思う。結局今回も色々あって街並み散策がゆっくりできなかったもので…。

住 所 飯田市南信濃和田1192
(0260)34-2355
入場料 大人(高校生以上)300円 小人100円 小学生未満無料
駐車場 無料
開館時間 9:00〜16:00
休館日 木曜日 1、2月
H P


完全に逆光だが、城を模した遠山郷土館。
庭先には遠山土佐守・徳川家康対面像などが置いてある。


和田城の説明板。これを見る限り、この資料館の建造は平成2年らしい。
わざわざ家康と直談判して本領安堵されながら、家康が没した翌年に改易&廃城となっているのが物悲しい。


別の説明板。
なかなか読み応えがあるのだが、できれば簡単な図でもつけてもらえるとありがたい。30代後半になってから言葉だけでイメージを組み立てるのがおっくうになってきた。

前回来た時はこの講堂の隅っこに座らされて、世話焼きな係員のおばさんに延々とビデオを見させられた。

この日の係員のおばさんが前回のおばさんと同一人物かどうか判断できないのだが、ちょっとマダムっぽい雰囲気なので違うかもしれない。

でも、まず最初に強制的にビデオを見させられる風習と、流されるビデオの内容は数年経っても変わっていなかった。
前回(7〜8年前)の写真。
自分の毛髪量と胴囲以外はほとんど変わってない。

今回のビデオ鑑賞は講堂隣室の液晶テレビだった。

ビデオが終わったので立ち上がろうとしたら、いつの間にか係のおばさんが後ろの椅子に座っていた。このセルフ写真を撮った時はいなかったはずなのに…。

驚く自分を尻目に、おばさんは両手を横に大きく広げると、冷静にそして少し鼻にかかった声を発した。
これが霜月まつりなのよ、分かったかしら、・・・
そしてそれだけ言うと、電池が切れたおもちゃみたいに動きが止まる。

沈黙に耐えられず、質問した。
し、霜月…っていうと、祭りは11月にあるんですか…?」。

…霜月まつりは12月よ
おばさんはそれだけ言うと、また動きを止めた。せっかくならなぜ霜月で12月なのか説明してもらえるとありがたいのだが…。

とりあえず館内見てきます…
再びの沈黙に耐えきれず、逃げるようにその場を後にした。

節電で電気が消えてるけど、パチっとやれば電気はつくからゆっくり見てらっしゃい。出る時は電気パチッとお願いね

「パチっ」という擬音が動詞になってるおばさんの少し鼻にかかった声を背中に三階に上がった。

この階の展示は霜月まつりで使われる面のレプリカが中心。

こんなたくさんの種類の面、全部使うのだろうか?霜月まつりのビデオは見たのだが、あまり真面目に見てなかったので謎ばかり。

右上に旧領主であった遠山氏の面がある。とりあえず霜月まつりではこの遠山氏の怨霊をなだめている。

旧主の怨霊をなだめる祭りというのもなかなか。しかしこの町のそんな少々おどろおどろしい雰囲気が気に入ってる。

周りの面と比較して絶対普通なはずなのに、そのどれよりも恐怖感を与える女性の面。

はっとしセレクトによる、最恐の面がこれ。
写真中央の「二の宮」と札がついている女性の面。同じ女性ながら左上の藤子A不二雄チックな面と比較するとご理解いただけると思う。

とりあえず顔のパーツが中心に寄るより、散らばったヒラメ顔の方が人間に恐怖感を与えるということが分かった。

高校の同級生によく似た顔の女の子がいたが、さすがにここまで怖くはなかった。

よく分からない面。
「クリームパンダとジャイアンを足して2で割ったらこんな顔になりそうだ」
そんな事を考えて自分でクスッと笑う。

自分も40歳ながら心がまだみずみずしいなとまた少し笑う。

もしかしたら心が病んでいるだけかもしれないなとクスッと笑う。

鎧兜の足元に置かれていた木札。

遠山祭の献詠俳句らしい。
自分は俳句の上手下手は分からないが、この俳句会が3年坊主で終わってしまったのだけは分かった。

階段を下りて二階へ。
この階は江戸期を中心とした展示。
とはいえ、質・量ともかなり貧弱ぅ。

中央のガラスケースにはこの地区の古地図。
とりあえず、道や集落が山の間を流れる川沿いにあったことが分かった。


ガラスケースの上には「千と千尋の神隠し」の公式本。
遠山郷の霜月祭はここでも紹介されている。宮崎駿はテレビでこの祭りを見て、神々が湯治にやってくるというアイデアが浮かんだとのこと。

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