硫黄岳・本沢温泉 その1
通年営業としては日本で一番高地にある野天温泉「本沢温泉」、もともとはこの温泉を目的地とする一人旅プランをたてていたが、穂高の筆皇非公式ツアーを計画しているうちに、せっかくだから八ヶ岳の端くれくらいには登りたいなと思うようになり計画を練り直した。
そう、今回は「一人旅」ではなく、「単独行」が似合う旅にしたかったのである。幸い天気も良好、穂高と同じようにベストなコンディションで登り切れると思っていたが、やはりそんなに甘くはなかった。

名古屋を夜の9時半に出発、ひたすら愛用国道153号線を北上、伊那からはショートカットのために中央道を利用した。諏訪ICで降りてからは国道299号をさらに北上、ほどよい場所にあったコンビニで車中泊した。これが午前1時半。


翌日は国道で日本で2番目に高い場所にある、麦草峠を通過。標高2127m、非常に良い天気ではあったが、予想通りあまり見晴らしが良いという峠ではなかった。

国道299号線から離れ、稲子湯方面へ向かう。あまり期待していなかった紅葉ではあったが、いい意味で予想が外れてご機嫌な自分。いい登山ができそうだ。

舗装されている八ヶ岳林道を南下。道路両側の木々はきれいに紅葉していた。

林道分岐点を本沢温泉方面に進む。道が悪く、4WD以外の乗用車であれば途中で車を止めて、数キロ歩かなくてはいけない。
自分の車は4WDなので林道のゲート部分まで距離をかせぐ事ができた。

ゲート部分。車数台分の駐車スペースがある。
4WDでも車で行けるのはここまで。ここから本沢温泉まで約1時間歩くことになる。
本沢温泉への道。足と心臓を慣らす為にかなりゆっくり歩く。まわりは木々にかこまれて同じような退屈な景色が続く。
コースタイムとしては1時間弱であったが、自分は1時間強かかった。
穂高の時は歩いている最中、半袖でもいいくらいの陽気だったが、今回はかなり寒い。
足元をみると立派に育った霜柱が顔を出していた。

木々の隙間からたまに見える八ヶ岳連峰。あそこまで歩くのかと思うと、序盤から気が滅入る。なぜそこまでして歩くのだろう…。

1時間強かかって、本沢温泉に到着。
野天風呂はここからさらに5分ほど登った場所にある。
野天風呂の入場券はここで購入する。先に券(実際はもらえなかったけど)を買っておいて、帰りにそのまま入ればよかったのだが、気付かずにそのまま登ってしまったため、登山後に一度ここまで下り、さらに5分登るという効率の悪い事をしてしまった。

建物の前にある野天風呂の看板。実際には野天風呂はここにあるわけではない。

建物前にある清水。「のめます」と書いてあるから飲んでみた。とても冷たくて気持ちいいと思いたいところだが、実際にはかなり体が冷えた。

上の水飲み場のすぐ隣にある本沢温泉大権現。仰々しい名前からすると小さな祠ではあるが、単独なので心細くもあり、お祈りする。

本沢温泉を出発、夏草峠に向かう。このあたりから道の積雪がはっきりしてきた。
カイ・シデンなみの臆病さゆえ、いつ引き返そうかと考えながら歩く。

野天風呂と登山道の分岐点。
左が野天風呂、右が峠への夏沢峠への登山道。温泉は下山後の楽しみということで登山道へ向かう。

足元には石がごろごろ。こんな道がずっと続くのであれば引き返そうと心に誓うが、とりあえず前進。

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