縄張
縄張りとは
曲輪や堀、門、虎口等の配置をいう。城の最重要項目と言ってよく、城の良し悪しはこれで決まるとも言える。曲輪の配置によって大きく分類ができるが、実際はその地形的条件や城の規模により、いくつかの形が混在することが多い。
縄張の分類
大きく「連郭式」・「円郭式」・「梯郭式」・「輪郭式」・「並郭式」等に分類できる。
連郭式縄張
本丸を中心として直線上に曲輪を配置する縄張。山の尾根等横に曲輪が配置できない場合に多く用いられる。

野田城説明板の縄張図。
本丸・二の丸・三の丸が直線状に並ぶ典型的な連郭式縄張。
円郭式縄張
円状に円塁を重ねて配置する縄張。田中城が有名。

田中城説明板の縄張図。
現在は宅地化してしまい掘や木戸の形跡はほとんど残っていないが道筋等縄張自体は往時の形跡を若干残している。
梯郭式縄張
本丸の虎口に二ノ丸、二ノ丸の虎口に三ノ丸というように、馬出状に曲輪を連ねる事によって防御性を高めた縄張。比較的よくみられる縄張。岡山城・広島城・熊本城等。

広島城縄張略図。

岡山城縄張略図
輪郭式縄張
本丸を中心に二ノ丸三ノ丸がまわりを囲んでいく縄張。同心円状のものと渦巻状のものがある。二条城・名古屋城・松本城・大阪城・駿府城・水口城等多数みられる。

駿府城縄張略図。
現在の静岡県庁。遺構をよく残している。
並郭式縄張
本丸二ノ丸(それ以外の場合あり)が並行に存在しそのまわりを三ノ丸(それ以外の場合あり)が取り囲む縄張。
島原城・大垣城等にみられる。

大垣城縄張略図。
本丸と二ノ丸が並行して存在し、そのまわりを三ノ丸(天神丸・竹丸・三ノ丸)が取り囲んでいる。現在はその遺構を残していない。
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