レールマウンテンバイク Gattan Go!! その1
(飛騨市  2010/7)

2007年に廃止された旧神岡鉄道の廃線を利用した観光施設。並行に繋いだ2台の自転車で廃線をサイクリングできる。
走行区間は受付のある奥飛騨温泉口駅から神岡鉱山駅までの片道2.9kmの往復。コースは駅跡、トンネル、高架などバラエティに富んでおり、飽きることなく往復約1時間のコースをサイクリングできる。車両(自転車)は通常のマウンテンバイクの他、ハイブリッド自転車、係員のカブに引いてもらうトロッコなどがあり、体力に応じて選ぶことができる。



今回はGSA終了後に参加、予約をしていなかったためピッタリの時間(13:30)は既に埋まっていた。妙にハイテンションなスタッフのハスキーボイス姉さんに聞いたところ、1時間後のスタート(14:30)なら多分乗れるとのことで、1時間後にまた来てくれと言われた。筆皇の車に燃料を入れたりコンビニに行ったりして1時間後に戻ってくるとハスキーボイス姉さんは配車に大わらわ、恐る恐る声をかけると一喝された。

HV姉ちゃん:「ちょっと別の所にいてください!」

このあたりでブラブラしていてくれと言われたはずなのにいきなりの一喝、言い訳を許さない迫力に部屋の隅へ退却。すると、

HV姉ちゃん:「お願いだから外で待っててください!!」

部屋の隅にいることすら許されず、中年男二人組は建物の外へ。
ジリジリを肌を刺す日差しに髪へのダメージを心配しつつ筆皇とタバコを吸って姉ちゃんを待つ。
ちょうど2本目のタバコを吸い終わったころ、ハスキーボイス姉ちゃんが笑顔でやってきた。

HV姉ちゃん:「待ってもらってすみません!やっぱり一杯で乗れませんでした!ごめんなさいね!」

姉ちゃんにハイテンションに断られ、次のスポットを目指して一旦は車に乗ったものの、やはりネタ的には惜しい。
とりあえず更に1時間後(15:30)の便にかけてみようとハスキーボイス姉ちゃんに再度掛け合ってみた。

HV姉ちゃん:「さっきはすみませんでした、で、御用は?」

自分:「あ、あの…、じゅ、15時半はやっぱりもう一杯だったりするんですよね…」

HV姉ちゃん:「えぇ、15時半は完全に一杯ですね、すみません…、あ、トロッコでよければ14時半乗れますよ。」

自分:「あ、あぁ、トロッコって原付で引っ張ってもらう奴ですか、まぁ、景色見られればいいから、それでいいです…。」

すると姉ちゃんは顔面一杯に驚愕の表情を浮かべ、高らかに叫んだ。

HV姉ちゃん:「えぇ〜っ!トロッコでいいんですか!自分でこげないんですよ、信じられないぃぃ!」

信じられないも何も、トロッコ勧めてきたのはお前だろと思いつつもそこは気が弱い自分、

自分:「あ、あぁ、い、いいんです、僕体力ないし、景色見るの好きなんです」

HV姉ちゃん:「そうなんですか!もったいない!ここまで来て珍しいですよ!

もったいないと言われてもトロッコ設定してるのあんたらだし、珍しいと言われても自分でトロッコを選択したわけでもないんですけど…。
怒りで脈打つこめかみの鼓動を感じつつも、自分にできることはいつもの媚びた微笑みを口元に浮かべることだけだ。

HV姉ちゃん:「じゃあ、乗り方の注意ビデオ流しますんであちらの部屋へどうぞ、トロッコはあまり関係ないとは思いますけどね。」

どうやら、自分達はよっぽどHV姉ちゃんのS魂を揺さぶる存在らしい…。そんな事を考えながら手作りの乗り方ビデオを見ていた。

画面の中ではHV姉ちゃんがさわやかに、そして優しげに微笑んでいた。俺にもそれくらい微笑んでおくれ。


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旧神岡鉄道の本社があった「奥飛騨温泉口」駅跡。現在はレールマウンテンバイク受付など神岡の観光拠点の一つになっている。

自転車待ちの間、黒板に落書きする筆皇。
神岡の伝道士、よごれんさんがこれを見たら血の雨間違いなし。

そんな心配をよそに筆皇は鼻歌まじりで落書きを続ける。

今は亡きCFカードの有効期限は自分が小学生だった昭和58年3月。神岡の時間は閉山の時に止まってしまったらしい。

自分がこのレールマウンテンバイクで気に入ってるのがこのポップなポスター。地方都市の観光施設にありがちな泥臭さがない。
どうでもいいが、ポップなポスターといえば、自分はチェッカーズの「OH!! POPSTAR」なのだが、同意いただけるだろうか。

レールマウンテンバイクの受付。
パソコンなどは採用されておらず、奥のハスキーボイス姉ちゃんが帳面に赤ペンなめなめで管理していた。

自分で漕ぐのはちょっとという老人、身長が足りない幼児など3人まで乗せられる「ベンチシートタイプ」。
さすがに電動補助のない自転車では引けないのでハイブリッド自転車での牽引専用。


RMB(レールマウンテンバイク)のコース、及び周辺観光マップ。ラーメン屋や焼肉屋の位置が手書きで書かれてるのがシブい。
神岡では「とんちゃん」をB級グルメとして売り出そうとしているらしく、RMBリーフレットにも記載されている他、GSAのバス道中でも宣伝していた。

テレビの取材もよく来るらしく、ポスターに取材車の写真。
どれどれと凝視してみると、畳をかきむしるほど嫌いな鳥越俊太郎号らしい。

39歳になっても嫌いな写真に鼻クソつけて喜んでいられる少年心は持っていたいと思う。
すまん、飛騨市。

ホーム部分。
駅舎の中でRMBにまたがり、スロープを降りて線路に乗り入れる。
こちらはかつて「神岡鉱山コラボツアー」時に撮影した写真。
当時は神岡鉄道の終点駅というだけの整備でRMBはまだ無かった。当然線路は普通に終端処理されている。

こちらは駅舎から撮影したスロープ&旧ホーム。
ぽっかり雲が浮かぶ青空、ホームを吹き抜ける高原の風。

・・・

と書くと、この写真も涼しそうに見えるかもしれないが、実際は頭皮を焼くような日差しに目まいすらおぼえる。つまり写真とコメントだけで騙されちゃいけないってことだ。鳥越俊太郎の写真なんざ見たもんだから、書かなくてもいいことまで書かなくちゃいけなくなる。

まぁ、頭皮を焼かれるのは自分の頭髪密度がモンゴルの人口密度チックなことに大きな原因があるのだが。

GSA開始前に撮影したハイブリッドタイプのレールマウンテンバイク。
係のおじちゃんに「試走してみます?」と聞かれたが、理由もなく手をブンブン振りながら「いいです、いいです」を連呼。

RMBの方向転換やレールから外す時はバイクの間にある巨大レバーを立ち上げるとテコの原理でバイクが持ち上がる。

おじさんのバイク持ち上げを見ていたら、筆皇が無言でポイント切り替えにはげみだした。

この時はテコの原理を皆さんに分かりやすく説明してるのかと思っていたが、帰りの車中で「幸せそうなカップルを脱線させてやろうとした」と吐露。

気は弱いが大胆な男だ。

残念なのはどうやらポイントが固定されていたようで、筆皇の力ではビクともしなかったこと。頭皮を焼く暑さの中で心臓にかなりダメージがあったようだ。決してパーフェクト・リバティの信者ではない。

こちらが今回乗ることになったトロッコタイプ、またの名を「疾走ベビーベッド」。

前の回の人達が帰ってくる。
最後は力を合わせて駅舎に入るスロープを登らなくてはいけないのだが、このカップルは彼女だけフルスロットルして彼氏は足を止めたまま。

最初は自分達の憧れである、亭主関白タイプかと思ったが、様子を見てると「ヒモ男&だらしないとは分かっていても世話を焼かずにいられない薄幸女」タイプらしい。


 (1.78M)

14:30の出発に備えて準備にいそしむ係員ズ。

ハスキーボイス姉ちゃんが準備してるのはバイクの間に座席を装着した王様シート仕様。

もちろん真ん中の人は漕がない。
「漕がないのに乗ってて何が楽しいんだろうな」と言いかけ、自分らが乗る「疾走ベビーベッド」を思い出して言うのをやめた。

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