半田赤レンガ(旧カブトビール)H22特別公開 その2

今回の目玉となるのがこの「明治と昭和をつないだトロッコ」展示。当時工場から半田駅までビールを運んでいた人力トロッコを当時に近い形で復元され、関連する説明パネルと共に展示されていた。

残念ながらビジュアル的に地味な展示なので見学客の平均年齢も高め。
ただ、個人的には一般ウケばかりでなく、こうした歴史(?)好きな人の知的好奇心を満足させる展示にも力を入れているところは非常に好感が持てる。

再現された人力トロッコ。
資料によると長さ1.8m、幅1mで48本入りの箱を8〜12個積んで運んでいたとのこと。
できれば実際に押したりできればいいのだが、まぁ危険だし仕方ないか。

レールには軽便用の軽いものが用いられていた。レールの実物やレールに関するパネル展示も行われていた。


トロッコ配線の想像図を説明したパネルで図の右上方面が北。現在のハーフティンバーからハウジングセンター方面に軌道が延びている。


半田駅にあった下部とビール特設倉庫の再現図。
ビックリドックリメカがかすかに脳裏をよぎったが、一人だったので誰にも同意を求める事ができなかったのが残念。


航空写真を使って当時の特設倉庫の位置を説明。現在その痕跡はほとんど残されていない。

ビール搬送方法の移り変わり。
なかなか他のところでは見られない展示内容だと感心。藁のこもで一瓶づつ包んでいたものから木箱、プラスチックケースへと大量かつ簡易な方法へと移り変わっていく。

カブトビールやこの建物の歴史を紹介するコーナー。基本的には目新しいものも無いのだが毎回熟読してしまうコーナーでもある。

あまり人がいなさそうで毎回そこそこのお客さんが入っている。中にはボランティアの説明員がおり、質問なんかに答えてくれる。特にこの歴史コーナーに常駐している人はエキスパートらしく、かなり細かい質問にも詳細に返答してくれる…ようだ。立ち聞きしている限りでは。

竣工当時の赤レンガ建物。
現在は取り壊されて存在しない右(東)側部分がどのように5階建て部分と接合していたかよく分かる。
煙突にはカブトビールではなく、開業当時の「マルサンビール」の文字が見える。

贈答用のカブトビール木箱。
当時はビールは高級品で贈答用にも多く用いられていたとのこと。今では高級な酒でもここまで豪華な梱包はされない。前のレポートでも書いたが、カブトビール1瓶はこの工場で働いていた従業員の日当より高かったとのこと。今で言えば1本1万円くらいだろうか。

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