門司港駅 その2

トイレ近くの「帰り水」。
以下説明板より。
『この水道は駅が開設された頃に設置されたもので、以来、旅行者に門司の「おいしい水」を供給し続けています。
とくに、戦前の海外旅行帰国者をはじめ終戦後の復員や引揚の人達が、門司に上陸して安堵の思いで喉を潤したところから、(誰言うとなく)「帰り水」と呼ばれる様になりました。』

レトロな蛇口の手洗所。
古い施設などで古い蛇口が残されている所は結構多いが、実際に使えない場合が多い。ここの蛇口はもちろん使用可能。

駅裏手側に展示されている8620型(28627)の動輪。

以前訪れた時、旧貴賓室に当時の写真が展示されていたのを思い出して行ってみた。
ちなみにこの階段の入口は非常に分かりにくい。

上の写真のアップ。
細かい所まで施された装飾。

手摺りの飾り(アウトコーナー側)。

手摺りの飾り(インコーナー側)。
アウトコーナー側と比較するとヌルっとした感じになっている。

奥の扉が開いているのが旧貴賓室。

往時は高い天井に装飾の施された照明が吊るされていたのだろうが、現在は無機質な蛍光灯がぶら下がる。

現在は入ることができない貴賓室の隣室。奥のテーブルの上には雨漏りの応急処置と思われる傘とバケツ。

資料展示が行われている旧貴賓室。古い写真と駅舎の模型が置かれているのだが、一見貴賓室であったとは思えないほど薄ら寒い雰囲気を持つ。

門司港駅の模型と説明板。

ボンネットバスの姿も見られる昭和11年当時の門司港駅。現在バスターミナルは駅裏にあるが、当時は駅前までバスが来ていたようだ。


このほかにも古い写真がたくさん並べてあり、なかなか見応えがあった。

雨漏りする隣室へ続くドアは施錠されている。どうでもいいがドアノブがかなり低い位置にある。

貴賓室入口のドア。
部屋自体は貴賓室の雰囲気をあまり残していないが、ドアや内壁などにはそれが残っている。

装飾の施されたドアの蝶番。
現代では豪華な建物であってもここまで凝ることはないだろう。無駄とも言える手の入れようは本当の贅沢というものを感じさせる。

「ドア」の本来の目的からすると過剰な装飾。

高い天井は縁でRを描いていてとても美しいと思う。しかし、殺風景な蛍光灯吊り下げや無機質なパネル展示はこうした旧貴賓室の見せ方としてふさわしいものなのだろうか。
(パネルの写真自体はなかなか見応えがあった。この場合『見せ方』の問題)


門司港レトロは戦前の凝った造りの建造物で多くの観光客を集めているはずだ。その中心的スポットであるはずの門司港駅において、ついでに開放してる部屋だから適当でいいだろ的な見せ方をしている。


こうしたぞんざいな扱いを見ると、門司港駅も所詮客寄せパンダなのだなと思えてしまう。

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