福沢桃介記念館・山の歴史館 その1
(長野県南木曽町  2007/10)
南木曽町読書沼田
(0264)57-4166
9:30〜16:30
休館日 水曜日・冬季(12/1〜翌年3月中旬)
入館料 大人300円(両館共通)
駐車場 無料(南木曽中学)

福沢諭吉の養子であり、「日本の電力王」と呼ばれた福沢桃介(1868-1938)の別荘跡を整備して公開している「福沢桃介記念館」と、旧妻籠宿本陣跡地に建てられた「御料局名古屋支庁妻籠出張所庁舎」を移築した「山の歴史館」が共通で見られる。
近くには桃介がつくった「桃の橋(通称:桃介橋)」があり、国道19号線からも見ることができる。せっかくなので、記念館と橋はセットで見るべきなのだろうが、この日は土砂降り、傘を持っていなかった自分は記念館だけの見学となった。この日再度見学した野麦峠の「峠資料館(入館料500円)」と比較すると、見るものもたくさんあって、かなりお得な感じがした。

こちらは「福沢桃介記念館」。
木曽川の発電所開発を行っていた桃介が、別荘として大正8年に建てた別荘。
戦後は教員住宅として使用していたが、昭和28年の裏山土石流で一部被害を受け、昭和35年の火災では二階を焼失してしまった。
その後、平屋のまま記念館として公開していたが、平成9年に二階部分の復元を行った。現存の一階部分は、あまり説明板などを置かず、二階に多く置かれているのは好印象。
ちなみに入館は、山の歴史館から。

入館口のある山の歴史館。
明治33年、旧妻籠宿本陣跡地に「御料局名古屋支庁妻籠出張所庁舎」、つまり皇室直属の施設として建造された。戦後は個人に払い下げられ、移築されたが、国道工事により、立ち退きとなり、町に寄付された。その後、この地に再度移築され、山の歴史館として、木曽の山林資料展示をメインに公開されている。


もともと御料局の建物ということで、細かいところの作りがとても丁寧。

明治期の配置図を加工したもの。
ほぼこのままの状態となっている。

入口入ったところ。
左手に事務室と若干の土産(手ぬぐいや、郷土品など年齢層が高め)が置かれている。
係の人は2名いて、「時間はありますか?」と聞いてきたので、「えぇ、とっても」と答えると、両館含めて20分ほどしっかり説明してくれた。
係員が説明してくれる資料館はちょくちょくあるが、ここまでしっかり説明してくれたところは初めて。


その後、もう一人の係員が、団体でやってきた老人会の人達に説明を行おうとしていたが、まともに話を聞いてもらえず玉砕。

まず、係員のおばちゃんが自慢気に説明してくれたのがこれ。
平成15年に県宝に指定されたという指定書。結構あちこち行っているつもりなのだが、「県宝」という存在を初めて知った。
書いてある「アクロテリオン」って調べてみたが、どうもそれらしいものは見当たらなかったが。

次に説明してくれたのが、この天井。
御料局の建造物ということで、非常に丁寧な造りになっており、天井の板も面取りがされているとのこと。
説明されないと気付かないマイナー部分、何か得した感じがした。


ただし、旧事務室だった部屋と、この廊下、どちらかは復元されたもので、そちらは造りが粗いらしい。どっちだったか忘れてしまった。確か廊下が復元だったような気がしたが、忘れてしまった。

室内では珍しい(らしい)、下見板張り。せっかく説明してもらったので載せておかねば。

旧事務室が「山の歴史館」のメイン展示室となっている。木曽の山林関係について、道具やら説明板やらで詳しく紹介されていた。

多分、このあたりで捕獲されたのであろう鹿の剥製。結構剥製って、資料館などに置かれてあるのだが、質が悪いものだと、目もあてられないほど、ひどい状態になっているものも多い。ここのはなかなか良品だった。

説明(第12話)にあった、換気口。
菊の御紋がデザインされているらしい。板の古さからすると、こちらの方が現存の天井だろうか。

「旧御料局妻籠出張所建物」説明板。
○建物の沿革
旧御料局妻籠出張所は、明治33年(1900)2月7日に現在の妻籠宿本陣跡地に庁舎として建てられました。33年後の昭和8年(1933)には改築にともない払下げられて吾妻橋に移築され民家として使用されていました。
しかし昭和61年(1986)、国道交差点改良で立ち退きを余儀なくされたため所有者の五十嵐勝一氏から南木曽町が寄贈を受け、解体して保管していたものを、平成2年度に天白公園整備事業の一環として復元したものです。


もともとは図のような付随建造物を備えていたが、現在復元されているのは、中央の建物だけ。

もともと建てられていた、妻籠宿の発掘状況写真。基礎部分が発掘された。

通常の従業員などは正面は使用できなかったため、この通用門から出入りした。

手前に宿直室・小使室、奥は調所と留置所。

宿直室内部。
当時使用されていた道具が簡単ながら展示されている。

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