爆釣ツアー外伝 治ちゃん!斜陽でございますかツアー その2 | ||
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んん〜♪さすが老舗旅館。古風ながらも間接照明などでより良い演出をしている。 なんつって。実際何がいいかなんてわかりゃしない。やっぱねぇ、肩書き。「太宰治ゆかり」って肩書きだけで実際のセンスなんて仮面ライダーくじを買ってる程度のスキルじゃわかりゃしないけどそう見えてくるもんさ。やっぱ人は何かを刷り込まれてる感があるね。マスコミによるものか教育の賜物か。生きるべきか死ぬべきか。わかんねぇっす。自分、不器用ですから。 |
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そして安田屋旅館のもう一つのウリは木造の幅広の螺旋階段。 普段人前ではベークライトで固められた初号機のように沈黙を続ける筆皇だけど、これ見たときは珍しく「おお〜!かっちょいい〜!」と仲居さんがいるとこで言ってしまうほどイカしてる。それこそ初めてゴールドクロスを見たブロンズセイントのように。 |
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螺旋階段を上りきったとこにある部屋が斜陽執筆の「月見草の間」。 残念ながら自分達の部屋はそこではない。もう少し早く行動していればと毎回反省するけどこれが中々ねぇ。だってさ、朝起きて会社行く時だってギリギリジャン?たった5分早く起きるだけで余裕ができるのにそれをするのって神業ジャン?きっとそれが苦もなく出来る人がパーフェクトソルジャーになれるんだろうね。間取りは同じらしいからまぁいいか。 |
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そして上から見る階段も、階段の上にかかる渡り廊下的な橋も当時ではきっと小説家かクリンと巻かれたヒゲをはやした財閥の御曹司しか利用できなかったんじゃないかという高級感が漂う。部屋の中に進入。 | ||
ブハッ!やるじゃない!広いじゃない! 昭和初期の臭いがするよ!大正7年築だけど。 柱や板だ!柱や板がいいんだ!この古臭くてなんとなく高級感のある柱や板がいいんだ! |
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奥の襖とか開けてみると景色もバツグンにいいぞ! 「晴れてる日は富士山も見えるんですよ。」 やはり天気か…。 ここに来て倖田來未のオッパイで上げたテンションがガタ落ちだ…。 「戦は「兵力」よりも「勝機」だよ。筆皇。」 アンニュイ一人旅の釈迦ヶ岳メラゾーマ事件から時折聞こえる左手の声が励ましてくれる。 そうさ!大殺界も晴れたんだ!この暗雲立ち込めるマクー空間だって明日には晴れるさ!今倒すべき相手は外ではない。この中だ。飯だ。温泉だ。あっ!斜陽車に置いてきたからといってそそくさと取りに行く。やっぱ斜陽を書いた宿で斜陽を読まなきゃいかんでしょ! |
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こんな筆皇のアナキン的な葛藤など何処吹く風ってなクモハが宿の案内を見ながら 「おい!ビール一本700円って!しまったなぁ、ビール買うの忘れてた。やっぱ風呂上りはビールだろ。」 と現実に引き戻す。買ってこなきゃ気がすまない勢いだ。 でももう外に出るのがオックウになってるから筆皇は車の鍵を渡して「行ってらっしゃ〜い。」とダラ〜っと横になりながらお見送り。デラ・ベッピンさえあればクモハが帰ってくるまでの間に一発できるのになぁ。いや、それはあまりにも危険な賭けだ。この賭けに失敗すると母上にしか見られたことのない生物の根源をクモハにも晒してしまうことになる。とかわけのわからない事を考えているとわずか数分で、クモハリターン。 「あれ?早かったですね。」 「うん。面倒になったから車に置いてあったビタミンウォーター取ってきただけ。」 グッジョブ俺!行動に移さずに正解だったYO。 |
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じゃぁ早速心と体のオアシス「オンセン」に行こうぜマスター! 押入から浴衣とタオルを取り出すと足袋みたいなのも付いてた。いや、男ならハダシだ。こんなものを利用するのは女子供だけだ!と、くだらないポリシーを貫く。 |
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風呂に向う通路の向こうに「伊豆文庫」なる資料室が見える。帰りに見ますかとまずは素通り。なんか、伊豆にゆかりのある人達の著書が置いてあるだけっぽい空間だからさほど期待はしてない。 | ||
廊下には美空ひばりの「伊豆の踊り子」のポスター。太宰治を売りにしててもやはり伊豆の踊り子は外せないのが伊豆半島か。 死して屍拾うものなしの我々とはやはり生きていた次元が違うのか太宰治にしても美空ひばりにしても、死んでもなお人の世に存在し続ける。世が世なら神社だって作られてたに違いない。 |
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温泉施設は離れにあるので雪駄を履いて移動。旅館の雪駄を見るたびに欲しくなる。盗んでしまおうかと。否!それは我が美学に反する!「欲しいものは買え!」この当たり前の事をさも漢らしい事のように信念とするのには理由がある。あれはまだオレが毛も生えてない小学校1年生、学校の近くの文房具屋に駄菓子を買いに行ったときのことさ。そこで見つけてしまった大きなU字磁石。 「ほしい・・・ 今すぐほしい・・・ どうしてもほしい・・・」 その物欲は7年の人生の中でも3本の指に入るほどの強烈なものだった。ええい!ままよ!店のおばちゃんが他所を向いてるのを確認した後、服のお腹の辺りに滑り込ませた。その所業、電光石火。 そしてオレは言った 「おなか痛くなったから帰るね」 と、特に仲良しでもない店のおばちゃんにしなくてもいい挨拶を。 「ちょっと、大丈夫?筆皇君(仲良しでもないのに名前を知ってやがる)。お腹痛いの?」とお腹をさすってくれる。 もちろんおばちゃんの手には子供の腹とは思えない鉱物的な手触りが。 ふふ、気が付くと、シベリアの海の底に絶対零度の氷の中で眠っていたはずのマームが呼ばれて到着せてるぜ。 とうとうオレのシーフライフも年貢の納め時がきやがった。しこたま怒られたぜ。 お店の人に申し訳ないと思ったマームはU字磁石を買って盗賊になりかけた我が子を自転車の後ろに乗せ、暗い森の魔王から逃げるようにそそくさと帰った・・・。古い話さ。 |
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時間もまだ早いから誰も入っていない。気兼ねなく写真が撮れる。 この建物は1階と2階に風呂があって、時間によって男湯が1階になったり2階になったり。この日は8時までは1階が男湯だった。玄関は一つで2階への階段は玄関直となっていて、階段上り口には「女湯」という魅惑的な立て札がある。1階は玄関入って「男湯」の立て札のすぐ奥に猛烈に冷たいアルカリイオン水が置いてあり風呂で消耗するであろう水分を前もって摂取できる。内湯と外湯が一つづつ。 |
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まずは露天に入ってみるクモハ。その様子をタオルでポークビッツを隠すこともせずに激写する筆皇。クモハが若干眉間に皺を寄せていたのは 「お粗末なもの見せるんじゃねぇ」 という事だろう。筆皇を殺す為の武器でも詮索しているかのような目つきだった。 |
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せっかくだから自分も撮ってもらう。 撮ってもらうはいいが、特にハイセンスなポーズも思いつかずにこの体たらく。 盗賊の話はこの写真の「思い出」立て札の為か?と気付いた人・・・。勘違いです。 ちょいちょいクモハに写真を撮ってもらうけど、中々いい感じで毎回写すぞ?なんていうか、テーマが明確ってのかなぁ。 ・・・認めんよ!なしなし。自分のがいいの撮るよ。 愚にも付かない話を湯船で延々一時間。失恋で再出発のために友達と温泉旅行に来たOLかってほどの長湯を済ませて浴衣を着る。 |
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おおう!みかんが置いてあるよ!咀嚼、咀嚼、反芻、咀嚼。 | ||
足裏マッサージでさらにリラクゼーション効果を狙うクモハ。 大して体力減るような事もしてないくせに何がリラクゼーションだ!とケケケと笑うの誰だらば? いや、本当にこの歳になるとね、マッサージが気持ちいいんですよ。昔は肩なんて揉まれた日にゃくすぐったくって死にそうなくらい笑えたのに、今はもう昇天ですよ。 さてと、伊豆文庫を見てから部屋に戻りますか。 |
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伊豆文庫の お、 |
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お、 | ||
治ちゃんです! | ||
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