長浜大橋 その1
(愛媛県  2010/3)

マフ巻さんに佐田岬要塞の帰りに案内してもらった戦争遺跡&有形文化財。
肱川を航行する船を通す為に橋桁を開閉させるバスキュール式(跳ね上げ式)の可動橋で、長さ226mのうち中央近くの18m部分が開閉する。
竣工は昭和10年で国内最古の可動橋であり、平成10年には登録有形文化財に指定されている。公的な観光案内では歴史的な建造物としてのみ紹介されているが、橋のあちこちを見ると戦時中の米軍機による機銃掃射痕が多く残されており戦争遺跡としての側面も持っている。更に近くの河港跡には龍馬脱藩の際に立ち寄った家の碑が残されていて幕末観光スポットも兼ねる。一粒で三度おいしい観光地である。

駐車場から撮影した長浜大橋。
のどかな景色が広がる中で一直線に伸びる朱色が目に鮮やか。

橋がアーチを描かず平坦で通りやすい為、地元の歩行者や自転車には好評とのこと。


15年前くらい前、免停中ということで日頃は車で渡る大きな橋を自転車で渡ったことがある。車で渡る時は橋のアーチの傾斜なんてほとんど気にしなかったのだが、自転車だと傾斜は予想以上にきついわ、距離は長いわで嘔吐寸前までいったことがある。
多少まわり道であったとしてもやっぱり平坦な橋の方が楽だ。好評なのもよく分かる。

 
昭和10年竣工ということで築75年。
レンガ造りの建物などが築100年を越える中で75年というとそれほど古くない気もするが、道路の付け替えや拡幅で橋も架け替えられることが多いので思ったよりも戦前の橋というのは少ない。ましてやここは可動橋、それが現役なのだから大したもんだと思う。

平成10年文化庁により登録有形文化財に指定されている。
愛知県では少し前に行った八丁味噌の郷とか愛知県庁・名古屋市役所など。


何が書いてあるのかとんと分からないが、図を見れば仕組みはだいたい分かる。


説明板に載せられていたフォトコンテスト入賞作品「霧に浮かぶ橋」。冬は山から降りてくる「肱川おろし」で結構霧が出るらしい。

全長は226m、幅は5.5m。
普通自動車だったらそれほどプレッシャー無くすれ違える幅。

川を往来する船もほとんど無くなり、本来の目的で開閉されることも無くなったが、毎週日曜日の13時に観光用に開閉される。
写真は開閉時の遮断機で手動のようだ。

舗装の赤い部分が可動桁部分。重さ82t、残念ながら開閉の様子は見られなかったが、さぞや迫力あることだろう。

可動桁部分と通常舗装面。
開閉には約3分を要し、その間は「森の音楽家」のメロディーが流れる。

カウンターウェイト(重り)と運転室(?)。
運転室は分かりにくいが二階建てになっている。現役時代は常駐している操作員の為に便所があって、川に直接汚物を落としていたとのこと。

橋の南側から撮影したカウンターウェイト。
巨大なショベルカーみたいだった。

橋につけられた電燈。
形状からして昔からあったものなのだろう。

そして橋のあちこちで見られる米軍による機銃掃射痕。米軍の戦闘機が戻る際に余った銃弾を打ち込んでいったらしい。

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