窯のある広場・資料館 その1
(常滑市 2005/1)

愛知県常滑市に本社がある住宅設備メーカーINAXによる「INAX文化スクエア」のひとつで、同社所有のコレクションが展示されている。大正10年製の建物と倒焔式角窯は登録有形文化財にも指定されている。
一階は大型の窯のほか、明治から昭和初期に建てられた建築物の陶器製モニュメント(テラコッタ)、二階では古便器収集家千羽他何之(たかし)氏所有+INAX所有の便器・おまるなどを見ることができる。
前知識がないまま入場すると一階と二階のギャップに少々驚いてしまうが、これが真面目に見てみるとなかなか面白い。この資料館対面にある「世界のタイル博物館」の方がどちらかというとメインっぽいが、おすすめするとしたらこちら。


住 所 常滑市奥栄町1-130
(0569)34-8282
入場料 大人600円 大高校生400円 小中学生200円
世界のタイル博物館/土・どろんこ館と共通
駐車場
開館時間 10:00〜18:00
休業日 第3水曜日(除祝日)・年末年始
H P

駐車場に車を停めて徒歩2分くらいくらいで大きな煙突が見えてくる。
建物まカラフルなタイルが埋め込まれた道が続く。

大正10年に建造され、昭和46年まで実際に使用された焼成工場を改築。保存されている窯は常滑市内でも大型の部類に入るものだったようだ。
撮影しなかったが、写真左側にやきもの体験ができる陶芸工房がある。やきもの体験のほかにも、モザイクアートの体験も行える。また、もう少し本格的にやってみたいという人向けにやきもの教室も開かれている。

入る前に撮影したような貼り方であるが、実は出た後に撮影したもの。よくみると「2F 染付古便器」と記載されてある。

入口横に置かれているテラコッタ。昭和8年大阪「旧大谷仏教会館」の壁面を飾っていた。現在同会館は解体されてしまっているが、壁面の一部が保存されている。

中に入ってすぐ目に入ってくる窯。入場券を購入してさっそく中に入ってみる。


旅行のパンフレットやHPなどを見てから訪れると、こういうものは予想より小さく期待はずれなことも多いのだが、ここは想像したとおりの広さがあった。
壁面についた釉薬は、使用されなくなって30年以上たった現在でも触ったら手につきそうだ。

窯の口部分から照明。なにやらしゃれたバーみたいな雰囲気。

一階、テラコッタ展示スペース。
建物の梁が天井をめぐる中に洋風のテラコッタ展示、ひとつ間違うとヘンテコになってしまうが特に違和感はなし。

大日本製薬本館の柱頭テラコッタ。ライオンかと思ったら鬼面らしい。

一階中央の窯横を撮影。

昭和9年徳川美術館のテラコッタ。擬宝珠っぽいが、どの部分に用いられていたか説明になし。

メジャー、マイナー色々な建物の遺品ともいえるテラコッタが並ぶ。
こういうものを見ていると、現代のビルはどんなに形が凝っていても無機質なイメージがぬぐえない。

説明板
「家外小便所」
明治20年7月に四代伊奈長三郎が考案し出願して、翌年12月に専売特許(第596号)となった家外小便所。戸外で使用するため、雨や雪が振り込んで下瓶に注ぎ込むのを防ぐために、小便器に天井をつけ、移動も可能にしたもの。上方には、臭気抜きの小窓もある。
本店時品は、昭和58年ごろ、地元の伝統工芸士松下衍氏によって復元されたもの。平成15年2月に遺族よりINAXへ寄贈された。


見た瞬間は陶器製ロケットかと思った。

染付古便器。先程の「家外小便所」といい、何やら便器が多いなと思っていたが、2階に上がってこれらはまだ序章だったことを思い知らされた。

2階へ上がる階段近くに展示されている朝日生命館ランタン天蓋。
説明板には「ニッチ」、「ヴェース」、「パルメット」と意味不明な単語。「ロマネスク」という単語を見て少しほっとしたが、よくよく考えてみると聞いた事があるだけで意味は知らない。美術15人中13位の実力発揮。

2階階段付近を撮影。右手に窯が見える。


 パノラマ


 パノラマ写真

中央部分は窯がしめていて、展示はそのまわりを周遊する形で行われている。

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