窯のある広場・資料館 その2

天井の梁。

丁寧に陳列された染付古便器。申し訳ないが笑えてしまう。

説明板より
「御用場の樋箱」
江戸城本丸御休息之間、御用場(トイレ)で将軍が使用した樋箱です。当時の絵図を元に復元してあります。
この樋箱は、腰掛けて使うのではなく、御用場の真ん中にはめ込まれ(樋箱の上面の高さが、御用場の畳の高さになり)、しゃがんで用をたします。
引き出しの中には灰や砂が入れられ、糞尿が溜まるとこれを抜いて処理します。

「御用場の樋箱」畳の下部分。つまり糞尿を抜く引き出し。見えない所なのに丁寧な造りでいかにも日本っぽい。

俗にいうところのおまる。右下の穴が開いている椅子はなにやら別の椅子を想像させる。

ずらりとならぶ古便器群。右を見ても、左を見ても便器だらけ。

厠下駄と言われる陶器製スリッパ。跳ね返り防止に役立ちそう。

明治はじめの公衆便所模型。
よく見ると内部に便器も見えるのだが、ちょっと見たくらいでは公衆便所には見えないハイカラさ。

窯の窓からのぞいてみると、中では椅子にくつろぐ人達が。合法的にピーピング気分を味わいたいならぜひここへ。

窯上部。

「本当に使ってました」と思わせるに充分な汚れ。穴が二箇所あるのは大小別々に取り分ける為だろうか?

説明板より
「江戸の後架(こうか)」
京都の惣雪隠に対して、江戸の町家の便所は、男女とも後架といい、せっちんという人は稀れであった。長屋の共用でなかには井のそばにあるものも0あった。井戸端会議の女たちの聲を聞く熊さんや弥助さんもいた。関東では羽目板壁でこけら葺きか、棧瓦もあった。入り口の戸は下方だけで上は丸見えで風通しがよい。一宇戸一便所を1疋立て、一軒に二便所のあるのを二疋立てといい、尿は溝へ流し糞肥は家主の収入であった。

便器・おまる・しびん・厠下駄、汚いようだが、とても大事な排泄に関するもの。生活に密着するものだけに、そういうところに美を求めるのはごく自然な考えなのだろう。

文化財に指定されている建造物、1階のテラコッタ、2階の便器群、なにやらアンバランスではあるが見ていて楽しい資料館。
常滑やきもの散歩道Bコース上にあるが、Aコースからは外れている。とりこぼしのなきよう…、おすすめ。

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