豊後森機関庫
(2007/2 玖珠郡玖珠町田野1208)

昭和9年の久大本線全線開通に伴ってつくられた機関庫。昭和45年に廃止されたが、平成17年産業文化財として残すために町が買い取った。年に数度イベントなども行なわれているらしい。
結構有名な産業遺跡で存在は知っていたが、今回の九州旅行のスケ時には全く忘れてしまっていた。「ゆふいんの森号」乗車中に偶然見かけ、由布院駅からレンタカーで訪れた。

事前調査が全く無かったので、転車台前に車を停められることも知らず、豊後森駅に車を停めて5分ほど歩いた。
予想以上に大きな遺構で、専用の踏切を渡ってその姿が見えた瞬間は結構興奮したものだ。


パノラマ機能のついていない一眼で撮影し、パノラマ作成ソフトで繋ぎ合わせた写真。
広大な空地に転車台と扇型の車庫跡が残る。往時は関連する建物があちこち建てられていたようだが現存しない。


保存状態の良い転車台とそれを取り囲むような車庫。梅小路が廃墟になったらこんな感じだろう。
これで線路まで残っていたら完璧なのだが残念。夏は結構雑草が生い茂るようなので、訪問は秋〜冬が良さそう。

車庫のガラスはあちこち割れて、「ヒントでピント」の16分割問題チック。
いうなれば、
「あーさーいー慎平さん!」
「ひまわり」
ビロビロビロン!
という感じ。

ターンテーブル操作台と車庫左側。

写真で見るとそうでもないのだが、現地では柱がたくさん建ち並ぶ姿がギリシア建築のように見えた。

扇型車庫の弦部分。
飛び出た部分は倉庫のようになっていた。
裏側には戦時中の機銃掃射跡が残っているらしいのだが、訪れた時は知らなかったので見ていない、残念。

柱に書かれた番号とその奥のイベント用SL。
玖珠町は「童話の父」と呼ばれた久留島武彦の出身地。町は「童話の里」として売り出しているため、SLにも「童話号」の名がつけられている。

ターンテーブル操作台。
この中に乗り込み、台ごと一緒にまわって操作を行う。別名「まわる電話ボックス」。
似てるが、「まわるフラワールーム」ではない。

僭越ながら古き良き時代の「回転ベッド」を彷彿させる。

操作台内部。
別名通り、中は電話ボックスくらいの広さ。ハンドルもついており、小さな市電の運転席みたいだった。

操作台上部。
電源スイッチみたいなものが並び、古い家の軒先チック。昔の家は玄関脇とかにこんなのが並んでたような気がする。

ターンテーブル。
こちらも線路は残っていないが、往時の姿を想像するのは難しくない。

ターンテーブルの軌道。夏だときっと見にくいだろう。

ターンテーブル内に溜まった雨水などを排出するポンプだと思うが不明。


車庫内部。外から見えるイベントSL「童話号」の奥には同じくイベント用の「ゆふいんの森号」が残されている。
「危ない刑事」のロケで使われそうな雰囲気だが、「特捜最前線」ではあまり使われなさそうな雰囲気。

車庫内の線路跡。

壁面のガラスが割れて足元に散らばっている。ちょっとした地震などでも頭上から降ってくるかもしれない。
もともと車庫内は立入禁止なので、何があっても文句は言うな。

ローマの円形闘技場の香りただよう車庫の弧部分。壁いっぱいに並ぶ多数の窓にガラスはほとんど残されていない。

弧部分に書かれた「交通検査用道具置場」。もちろんその検査用道具とやらは残っていない。

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