永徳スリップ その1

渡り鳥で有名な藤前干潟に近い、港区野跡堤防脇に残るスリップ跡。スリップというのが元々なんの用語かは知らないが、戦争遺跡関係によく出てくるスリップは水上飛行機を地上から水上に移す時のスロープというような意味のようだ。
この地は戦時中愛知航空機株式会社の生産工場があり、ここで作られた海軍水上航空機「瑞雲」・「晴嵐」はこのスリップを用いて水上に移していたらしい。現在新しい堤防ができており、北側は破壊されてしまっているが、南側はそのまま残されており、当時の雰囲気が残っている。


西側から撮影したスリップ。水中に沈んでいく様子が見てとれる。水辺の白い点々はカモメ。
餌をまくと全員集合し、餌がなくなるとすぐに察して去っていく。とても現金な奴ら。


スリップ全景。
スリップ北側の新堤防上の道が工事中であったため、新堤防の傾斜に登って撮影。手前側はこの新堤防建設で破壊されてしまっている。写真左のネッシーの首状のものは監視用の突堤。
「愛知の戦争遺跡ガイド」によると、幅31m、長さ70mほどとのこと。


 パノラマ写真


 パノラマ

スリップ根本部分。写真右側が新堤防。破壊されたコンクリート片が散らばる。

コンクリートは結構厚い。

スリップ中央付近から先端方面(南南西)を臨む。遠くに見えるのは名古屋のベイブリッジになれなかった名港トリトン。

かなりコンクリート表面は荒れている。しかし海水に浸りながら60年以上経っているのだから頑丈ともいえる。
手前の突起は航空機用ビット?

スリップ先端部分から新堤防方面を臨む。奥に見えるのは稲永スポーツセンター。

先端部分を横断的に撮影。満潮時には水がつかる部分なので、すこぶる滑りやすい。

反対側。ここに立つと、鼻には潮の香り、足元にはカモメの糞。

スリット南側の監視用突堤。先端部分には建造物でも建てられていたのだろうか。

カモメの糞、マックス。

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