桜島 海軍基地跡
(鹿児島市  2010/3)

桜島自然恐竜公園の帰り、偶然見つけた基地跡。説明板もしっかりしており、モニュメントらしきものもあるが、肝心の壕内には入れない。
「画竜点睛を欠く」とは正にこのこと。

入口を象ったアーチ状のオブジェの向こうには木製の扉。南京錠がかけられており、中に入ることはできないが、完全に封鎖されているわけでも無さそうなので、見学会とかある時に入れるチャンスがあるのかもしれない。


説明板。さっきまで居た恐竜公園の地下部分にあったようだ。以下説明板。


 
ここは太平洋戦争末期、日本海軍の基地があった場所です。壕の高さ・幅はともに2〜3m程で、手掘りによって作られたトンネルが網の目状に張り巡らされています。総延長は約650m。壕の中には魚雷保管室や動力室がありました。この基地はアメリカ軍の本土上陸を阻止するために編成された海軍特攻戦隊の一つ「第五特攻戦隊」の司令部です。ここの近くには通信施設もあり、佐世保鎮守府や南九州一帯に配備された各突撃隊との連絡を行っていました。まさに本土決戦に備えた日本の海防の要だったのです。
また、この基地の通信兵として暗号解読などにあたっていたのが作家・梅崎春生です。彼はここで終戦を迎え、その時の体験をもとに戦争文学の傑作と言われる小説「桜島」を書きました。この基地は小説の舞台でもあり、「文学遺産」ともいえる場所なのです。 」


「文学遺産」という単語に少々首をひねらないでもないが、構内の地図など見やすい説明板。
質問などはNPO「桜島ミュージアム」へ。

南京錠のかかっている扉は「魚雷調整室」につながっている。何に使われていた部屋か結構はっきりしているようだ。

扉の隙間から中を撮影。
3,4m進んだところで通路が広くなっており、その先は壁によって区切られている。


通路の縞模様は壁のコンクリートを整形するために使用された木片の跡。

木製扉の横に残る出入口二つ。
両方ともブロックで封鎖されており、中に入るどころか撮影すら不可能。

閉ざされた出入口と説明板。


中の状態も良さそうだし、フェリー乗り場からも近いので、せっかくなので少し公開してみてはどうだろうか。

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