若宮八幡宮
(岡崎市  2010/2)

徳川家康の長子で岡崎城主であった松平信康の首塚がある神社。祭神も仁徳天皇と信康となっている。
信康は武略に優れ将来跡継ぎとして期待されていたようだが、母築山殿と共に武田家への密通を疑われ、織田信長の指示により自刃した。事件の背景には信長の将来不安説、徳川家内紛説、家康との不仲説などあるが、現在では酒井忠次を中心とする一部家臣団との確執による陰謀説が有力とされている
信康自刃後、最終的な判断を下した信長への配慮から過度な弔いは行っていなかったが、後にもともとこの地にあった神社に合祀されて現在に至っている。


岡崎市内に多数ある松平(徳川家)由縁の寺社の一つであるが、由緒としては非常にネガティブな部類。天下人となった家康の長男の首塚がある神社としては非常に淋しい雰囲気を持っている。事件当初は信長の機嫌を損ねないために質素に葬るのは理解できるのだが、信長死後も特別な扱いを受けた感じがしないのは何やら事情があるためだろうか。


一方通行が多い住宅地の真ん中にポツンと祀られている若宮八幡宮。周辺の道路は狭く、車を停める所は全くない。
境内は南側(写真左側)が空き地状態になっているせいかガランとした雰囲気。境内に座ってコンビニで買った肉まんを食べようと思ったが、雰囲気が暗いので急いで立ったまま食べた。

他の観光地と同様、岡崎市も観光スポットの国際化を図っており、説明板も日本語、英語、中国語、ポルトガル語に対応している。

日本語部分の説明板。
最終的な判断は信長によるものらしいが、そこに至るまでの経緯や暗躍については諸説あり。

もともと日本語オンリーな説明板に国際化バージョンのシールを張ったものなので元の説明板の文字が浮き出している。


まぁ観光スポットの統一規格なので仕方ないのだが、外人がこの八幡宮に観光でやってくる確率を考えるとすこぶる無駄な気はする。

首塚は本殿脇の奥まったところに置かれている。

首塚は柵で囲まれており、出入りする扉も施錠されているので柵の隙間かプラスチックの板越しでしか見ることはできない。

柵の隙間から撮影した首塚。


由緒書。陰謀あり、呪いありのおぞましい由緒を持つ。
どうでもいいが祭神の仁徳天皇と信康という組み合わせがアンマッチ。梅干とスイカみたいだ。

葵の紋が刻まれた柱は徳川家由縁の神社だと分かる数少ない物証となっている。

本殿から境内を撮影。
狛犬は誰かが金婚式の祝いに奉納したと刻まれていた。

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