羽豆崎 大和艦橋展望台跡 その1
(知多郡南知多町  2009/9)

昔愛知県に住んでみえた方から知多半島について色々な情報をお寄せいただいた。その中で知多半島南端の羽豆神社付近に旧海軍の戦艦の艦橋と同じ高さに作ってある展望台があったというものがあった。羽豆岬には今まで何度となく行ってそれらしき展望台があったのは知っていたが、そんな素敵な設定がされていたとは全く知らなかった。これは確認するしかないと早速レポート。
なお、「大和艦橋展望台」は便宜上自分が勝手に書いているだけなのであしからず。

知多半島の南端、師崎港フェリー乗場の西側にある明神山。かつては羽豆崎城という城があり、現在は羽豆神社が建立されている。
その狭い遊歩道を歩くと、道中半ばほどに今回のターゲットの展望台が見えてくる。

現在は立入禁止となっており、トラロープで登り口を封鎖してあるが、そこはごめんやっしゃということで。

その存在意義が全く分からない二階。

手すりなどを見ると、コンクリートや中の鉄骨がかなり傷んでいるのがよく分かる。
高所恐怖症の自分としては、中の鉄骨より先に自分の心が折れそうになる。

最上階に到着。
景色や看板を見る前にすぐ柱を確認。
見事に裂けた柱を見て、かなりサイバーブルー。

別の柱をみると更にゴージャスに裂けている。


情報にあった戦艦云々の説明板や鳥瞰図を探して早々に退散を図りたい。しかし、それらしきものが見つからない…。


とりあえずあちこちに書かれた落書を撮影して気を紛らわせることにした。


まずはその1.
「マイルドセブンティーン」
マイルドセブンを吸ってる17歳が書いたらしい。17歳のくせにオヤジ臭い洒落を言う子だ。

その2、フリーターのS.K君。
捨て切れないのりちゃんへの熱い想いをぶつけた文章。残念ながらのりちゃんがこの文章を見ることはないだろう。
S.K君も今年で29歳、失恋の痛手から立ち直ったろうか?

その3、T君&その4、すぎうら君。
こちらも失恋の痛手を訴えている。よくあるカップルスポットのラブラブ落書きよりこういった内容の方が読む気が起こる。


俗に言うところの「人の不幸は蜜の味」。

その5、安江君。
こちらは卒業アルバム調の内容。
彼の趣味や宝物らしきものが羅列されている。


いくつか分からないものがあったので調べてみた。
「スターホース」…セガの競馬メダルゲーム。
「SEAMO」…一宮市出身のラッパー。
「エギ釣り」…アオリイカ釣り?
「轟金銅風」…安江君の筆号?

その6。
By井伊直弼。


落書き読みに夢中になっていたら、展望台隣の休憩所の屋根に書かれた説明板(?)と鳥瞰図を発見。
文字が薄れて一部読みにくいが、海抜45mで大和の艦橋と同じ高さだということが書かれているらしい。更に下部には鳥瞰図。
一応読める範囲では
皆さんの立っている展望台は海抜45米です。想ひ出の記念として戦艦大和の司令官の司令官になって、○ゾンの香りを充分味つて下さい。」とある。
「想ひ出」という書き方や「戦」の字を見る限り、書かれたのはかなり昔のようだ。この展望台がいつ建てられたのかは不明だが、屋根が説明板になってる休憩所は昭和29年に建てられたもの。展望台もほぼ同時期建造ではないだろうか。


あと「○ゾン」の部分、有毒の「オゾン」だとすると、それを充分味わえというのもどうかと。
まぁ書かれた時代、オゾンは有毒だと知られてなかったのかもしれないが。

ということで司令官気分で景色を眺めてみる。想像以上の高さ。間違っても手すりに体重をかけることだけはしたくない。


写真は東側、師崎港方面。鳥瞰図によると渥美半島や富士山が見えるらしい。渥美半島はかすかに見えたが、富士山は見えなかった。
昔は富士山も見えたのか、「大正広重」吉田初三郎の影響か。

北方面。
昔はぐるっと巡る遊歩道はなく、岬の西側に出るにはこの小山を越えなければいけなかったらしい。

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