師崎プール跡
(知多郡南知多町)

週末ともなれば、日間賀島や篠島への観光客で賑わいを見せる師崎港。その手前200mの海岸にはかつて「師崎プール」と呼ばれた、小さな人工海水浴場跡が残る。砂浜の少ないこの辺りの住民の為に作られたものらしい。
海水浴場跡と言っても、海岸の一部分をコンクリートの堤防で囲っただけの小規模なもので、さながら海岸沿いのプールのようなものである。波に洗われるコンクリートの残骸が、かつての海水浴場跡であったことを知るのは、釣り愛好家と、地元の老人、そして物好きくらいのものである。いつ頃建造され、いつ頃使用されなくなったのかは不明のままなので、近いうちに再訪してその辺りの聞き込みをしたいと思っている。

「師崎プール跡」。
存在を知らなければ、気にも留めないだろうし、コンクリートの存在に気づいても、せいぜい護岸処理くらいにしか思えないマイナーな跡。

昭和初期の師崎プールの写真。
護岸整備がされておらず、現在より幅も広いが、オーバーラップさせるのはそれほど困難ではない。

ほぼ上の写真と同角度から撮影した現在の様子。こんもりとした羽豆神社手前の道を右手に行くと遊歩道。


海に対して漠然とした恐怖を持っている自分としては、こんな所で泳げと言われても素直に泳げない。

別角度から撮影した昭和初期の写真。
南北のコンクリートは高く、沖側の壁は少々低くなっている。
干満の様子は不明であるが、上のもう一枚の写真よりは潮が満ちているようである。

底部分には平らな部分があり、コンクリートの板でも沈めてあるのかとも思ったが、どうも岩盤らしい。


当時の写真を見ると、もっと幅が広かったようだが、現在は護岸工事が行われて狭くなってしまっている。

コンクリート防波堤部アップ。
海から顔を出している部分は破損が激しく水没部分も多いが、当時も防波堤から波が流れ込む状態だったようだ。

プール部分北端部分のアップ。
こちらは破損が激しい。

こちらは羽豆神社西側の海岸に作られた新プール。大きな破損はないが、現在ではほとんど使用されていないらしい。
近くで撮影したかったが、時間が無くてはしょり撮影。

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