近鉄 内部線
(2006/12 四日市市)

近鉄内部線は近鉄四日市駅(四日市市)から内部駅(四日市市)間の5.7kmを結ぶ路線で、日本では珍しいナローゲージ(線路幅762mm)の軽便鉄道でもある。この762mmという線路幅は四日市駅を通る名古屋本線(1435mm)の約半分、車体も半分とまではいかないが、バスよりも狭いのではないだろうか。
近鉄好きの自分としては、小さい時から乗ろう乗ろうと思いつつ乗れないままだったので、鳥羽観光の行きがけに乗ってみることにした。学生時代の友人が言っていた「向かい合わせの人がお互い足を組むと、通路を人が通れない」と話が本当なのか興味深々。


近鉄HP「路線の履歴書」(内部・八王子線)

内部線は四日市駅から出ているが、駅自体が名古屋本線から連絡歩道橋を通って徒歩3分くらい離れた場所にある。
いつもながら、こういう所で写真を撮ると鉄ちゃんと思われるのが嫌だ。

基本的に毎時2本の運転。途中の日永駅から西日野へ行く八王子線(こちらもナローゲージ)も毎時2本なので、日永駅までは毎時4本とそこそこの運転間隔となっている。

これが762mmの幅しか持たない線路。
思ったほどショッキングな狭さではなかったが、加齢とともに新鮮な驚きが少なくなってくる自分の感覚がショッキングだった。

四日市駅は名古屋本線の駅でもあるが、線路幅も異なるので乗り入れは行われない。当然線路は行き止まりとなる。

しばらくすると列車がやってきた。
心の中で「俺は鉄ちゃんじゃないィィィィ」と絶叫しながらシャッターを押す。

ワンマンで運転されている内部線、基本的に四日市〜内部の折り返しを繰り返す。

この時の列車は3両編成。先頭はラッピング仕様、真ん中はマルーン、最後尾はウィンザーイエローとバラバラ。

ワンマン運転なので、各駅にホームミラーが設置されている。タバコを吸うフリをして先頭車の写真を撮った。

一番客が少ない先頭車に乗る。
確かにバスより狭そうな車幅であるが、ロングシートではないので、足を組んだら人が通れないかどうかは分からない。
そんなことより、シャッターを切る度に音が出てしまうので、「列車内で写真撮ってる人がいる」と他の客に気付かれるのが恥ずかしかった。誰もそんなこと気にしていないのだろうが、自意識過剰なのだ。

ドア口も車体上の方まで開いているが、それでも低いようで、少し背が高い人だと頭を下げないと出入りできない。幸か不幸か自分はそのままスルーできる。

小学生の時持っていた「近鉄」という本に載っていた内部線の写真は、田園風景の中を列車が走っていたが、あれから25年も経ってしまっており、沿線はすっかり宅地化されていた。絵心を持たない自分の感性では、とても心の琴線を鳴らされる風景ではなかった。駅間の短い所や、カーブのきつい所で、自転車なみの速度で走るのが印象に残っているだけ。

四日市を出て約15分で内部駅到着。内部線・八王子線で唯一の駅員配置駅であり、車庫がある駅でもある。

検車を行う屋根付車庫から伸びる線路。四日市駅ではそれほど狭いと思わなかったが、ここで見るととても狭く感じた。

内部線ホーム。
乗ってきた列車がそのまま四日市行きとなる。15分ほどそのまま停車していたので、これ幸いと写真を撮りまくった。

1+1シートの先頭車内。

横に2列しかないので、贅沢なシート幅があるように思えるが、ごらんの通りのシート幅。俗にデブと呼ばれる人々には少々きつい。

中間車はロングシート。
確かに対面同士が足を組んだら人が通るのは難しくなりそう。足が短くて、綺麗に足が組めずに前に出てしまう輩だとなおさら。
自分はそんな輩の一員。

内部車庫。
やはり比較対象とするものがあると、列車の小ささがよく分かる。こんなスペースを列車が通ることができるというのは確かに驚きだ。

列車の小ささを分かっていただくため、比較対象用に自分の左手登場。お役に立てましたか。

運転台。貫通扉もないので、中央にデンと運転席が構えている。列車の大きさからなんとなく市電っぽい雰囲気。

幅も狭けりゃ、シートピッチも狭い。
メリットは前に座る人の髪の香りを嗅ぎやすいことと、前に座る人のうなじに息をふきかけやすいことぐらい。
デメリットは窮屈なことと、前に座る人によっては加齢臭の直撃を喰らうこと。

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