B29墜落地

機体:1942年製B29A爆撃機
愛称:ザ・レーディング・レディー
所属:アメリカ陸軍 航空第73爆撃航空団 500爆撃隊
搭乗員:ウイルバー・ハーブット機長 他10名
     10名が墜落死亡、1名は落下傘降下し生還して終戦後アメリカ帰国
墜落経緯:1945年1月3日名古屋市外・ドック父A爆撃参加97機中の1機で日本陸軍第56飛行隊小牧基地所属の飛燕戦闘機(代田実中尉)に体当たりされて編隊を離脱して出火、きりもみ状で当地に墜落した。
墜落地点:愛知県豊田市坂上町空田7番地(私有山林)
     (当時−東加茂郡松平村大字そだめ字空田7)
墜落処理:焼損した機体は直ぐに荷車で近くの県道まで搬出され軍へ運ばれた。


(説明板より)

香嵐渓の南、王滝渓谷近くにB29墜落地の説明板が残っている。上の説明が書かれたもの、中日新聞の抜粋、当時この近くの住人の証言からなる。

説明板と簡単な碑。上の碑のある場所に簡素なテーブルとベンチが置かれてあった。まわりの景観はそれほど良いという場所でもない上、王滝渓谷上方駐車場に向かう車が結構通るので、あまり使用することはなさそう。

碑とはいいがたいが一応碑らしきもの。B29が一機墜落しただけで「B29の里」というのもどうかと思う。
住民の証言が書かれた説明板によると、終戦後この地区に米軍が調べに入った時には何かされると思って隠れたということだ。笠寺陣地でも撃墜したB29の尾翼を飾っていたが、終戦当日に穴を掘って埋めたと記録が残っている。皆恐れることは同じ。

説明板等がある場所から足場の悪い農道を100mほど歩くと墜落跡地がある。特に碑や説明板はここにはなく、木が生い茂ってその痕跡も残っていないと思われた。

説明板に貼ってあった中日新聞の切り抜きの一部。かなり分かりにくいが代田中尉に体当たりをされて落ちていくB29。 一人は落下傘で脱出し3キロほど離れた地に降り立ち無事だった。
このB29を落とした代田中尉は前年にも3回B29に攻撃を加え、一機撃墜している。
この日中尉は正面から機銃掃射し火を噴かせた後、右翼に体当たりをしたらしい。体当たり直前に落下傘で脱出したが、頭部内出血で翌日死亡している。18歳になるかならないかという年齢だった。

こちらも切り抜き。墜落直後のB29。
死亡した10人の乗組員は現地の人が火葬した。昼間焼き、夜になると明かりを恐れて消火、翌日また掘り起こして火葬、ということを繰り返し10日ほどかかったらしい。
想像するとかなりきつい。

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